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鬼平深読み帳

絵師・石田竹仙が別のキャストで再び登場

第7シリーズの「五月雨坊主」には、「五月闇」で亡くなった密偵・伊三次が再び登場するが、このエピソードには他にも懐かしのキャラクターが再登場している。それが火盗改メで人相書きも手掛けている、元は盗賊の手先でもあった絵師の石田竹仙。ここでの竹仙は瀕死の男からある盗賊に見間違われ、これがキッカケで竹仙そっくりの盗賊が存在すると狙いをつけた平蔵の指示を受け、みんなでその盗賊を探すことになる物語。木村忠吾が寺に入り込むため、平蔵の命で丸坊主にされる一幕もあり、平蔵と忠吾との漫才のような掛け合いも楽しめる作品だ。

ここで竹仙を始め、盗賊・羽黒の九平衛、坊主の天徳寺善達と、まったくキャラクターが異なる三役を演じ分けているのがベテラン俳優・上田耕一。竹仙は第5シリーズの「盗賊人相書」に初めて登場したが、そのとき竹仙を演じたのは柄本明で、原作に“馬面”と書かれた竹仙に容貌がピッタリ。今回の上田演じる竹仙は、柄本よりも落ち着いて風格のある絵師といった感じで、冷酷な九平衛、その兄で情に篤い善達と、他の二役と表情から仕草まで別の雰囲気を出しているのはさすがである。平蔵の回想として「盗賊人相書」のことが語られる場面も出てくるので柄本と上田、二人の竹仙像の違いを比べるのも面白い。またこの第7シリーズには竹仙以外にも、これまでシリーズに現れたサブ・キャラクターが出てくるエピソードがある。それが第13話の「二人女房」で、こちらには第1シリーズ「用心棒」に出ていた、見かけは豪傑のようだが実は剣の腕はまるで駄目な浪人・高木軍兵衛が登場。軍兵衛を前作に続いてジョニー大倉が演じていて、これはファンには嬉しいキャスティングだ。竹仙や軍兵衛、さらには伊三次と馴染の女郎・およねのように、魅力的なサブ・キャラクターと再び巡り会えるのも、長寿シリーズ『鬼平犯科帳』ならではの醍醐味と言えるだろう。