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鬼平深読み帳

“鬼平”の世界を散歩する。九段下から四谷界隈編

久しぶりに『鬼平犯科帳の世界を散歩する』の第2回目をお届けしよう。前回は作品の中に多く登場する本所・深川界隈を案内したが、今回は長谷川平蔵の役宅と火付盗賊改方の組屋敷の道筋を辿る。

火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵の役宅は、江戸城の清水門外にあるとされている。清水門の最寄駅は地下鉄半蔵門線、東西線、都営新宿線の九段下駅。原作には、役宅の前は江戸城の濠に面した広い道で、役宅・正門の正面には清水御門が見えるという記述があるので、清水門の真向かいに役宅があったという設定。今ではそのあたりにビルが建ち、江戸の面影を偲ばせるものはない。余談だが清水門から北の丸公園へ入って上がるとすぐに科学技術館があって、ここの屋上は昨年のヒット作「シン・ゴジラ」で最終決戦の作戦本部シーンが撮影された場所であり、そういう意味では注目のスポットでもある。その北の丸公園の中を歩いて田安門を出ると靖国通り。この辺りは『老盗の夢』で本格派の盗賊・蓑火の喜之助が、裏切り者の仲間を追う時に通った道だ。この靖国通りを市ヶ谷方面へと歩き、市ヶ谷駅にぶつかったら外堀を渡って左に折れた道を進むと、合羽坂下のバス停がある。この辺りは四谷坂町で、その角の近辺に火付盗賊改方の組屋敷があった。同心たちはここから役宅まで、毎日通勤のために通っていたわけだ。劇中では、役宅で平蔵に呼び出された木村忠吾が夜でもすぐにやってくるが、独身時代の忠吾は、組屋敷ではなく役宅に住み暮らしていたことになっている。彼だけでなく、緊急の捕物騒ぎがある火付け盗賊改方では、何人かの同心が役宅に常駐していた。ここまできたら、ちょっとだけ足を延ばして個性的な居酒屋が建ち並ぶ四谷荒木町を抜け、新宿通りを渡って四谷三丁目の交差点からほど近い、須賀町にある戒行寺も訪れたい。この寺は平蔵の菩提寺で、平蔵の父・宣雄や息子の辰蔵も葬られた寺。寺には平蔵の供養碑もあるので、ファンなら一度はお参りしたい場所だ。梅雨の晴れ間に、平蔵や同心たちの気分を味わってみてはいかがだろう?